私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明

私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明

私の名前は、高城剛。住所不定、職業不明


昨今のノマド流行を見て、ワークスタイルだけノマドにするのも何だかなぁ、と思ったらこの人がいました。


Q&A方式で「やってきたこと/やりたいこと」「考えてきたこと/考えていきたいこと」なんかについてシンプルに語られています。いったい何をしている人なのか分からないランキングで常に上位の高城さんについて、ざっくりとではありますが今に至るまでの経緯や変遷なんかも書かれています。


読み終わる頃には「なぜ定住しないか?」から「なぜ定住するのか?」という意識に変わってきましたし、いい感じに的確で耳の痛い話もチラホラ。高城剛という名前で本書の内容を類推検討し、結果、手に取らない人も多いかもしれませんがそれは勿体ない。先入観無しに読む事が出来れば大変すばらしいインプットになるかな、と。


大前研一さんと柳井正さんの「この国を出よ」に比べると、だいぶ良心的というかちゃんと実効力のあるメッセージになってる気がします。あれは煽り過ぎでしょう。


メモ:

  • P.15 Q3.なぜ定住しないのですか?

A.まずは不安定な時代のあらゆる危機やピンチに備えるためです。それは経済的・政治的危機、天災、それに個人的な問題すべてに言えます。

  • P.25 いま、時代にとって必要なのは、あたらしい生き方の創造でしょう。デザイン、スタイルの時代を経て、生き方そのものに創造性を見いださなきゃ行けないほど、時代は窮屈になってしまいました。あたらしい生き方を提案できるもの、クリエイションできるものが、真の21世紀のクリエイターだと思います。


  • P.35 ぼくも含めて、自分の事を意外とわかってないと思ったからです。世の中がぐちゃぐちゃになってるときに、自分の事を見失ってたらもっと大変じゃないですか。だから、情報やモノに向き合うのではなく、自分と真摯に向かい合うことがいま一番重要だと思います。


  • P.50 だからもう「悪いこと」や「隠しごと」は、ドンドンできなくなるのです。それが、世界を本当の意味で変えていく事になるでしょう。もし、隣の人の事が100%わかるとしたら、どうしますか?中略。何かをきっかけに、相手の事が分かるような技術が出てきて、テレビで霊能者の人が相手を見て色々言うのと同じように、科学技術的に、相手の事がわかるようになっていくのです。
    • まったくagree。人類が大切にしてきた何かしらを失う可能性はあるけど、人生を取り繕う事の非効率さは是正され、今は見えない「するべきこと」に注力できるようになるんじゃなかろうか。


  • P.59 確実に言える事は、お金や欲望はアイデアの天敵ということです。中略、お金を稼ぎたいという欲望も、清貧が美徳というのも、実は両方同じ罠なのです。お金や欲望という罠が、素晴らしいアイデアが生まれるのを、一番邪魔しているのは間違いありません。
    • マネタイズありきで始めるブレストの無意味さを痛感しながら板挟みなわけですが、たぶんそういう類いの話ですよね。


  • P.85 「世界がもっと楽しく創造的になったら、どんなに素晴らしいか」中略、そのためのきっかけやツール、場所、をあらゆる形で多くの人に届けたいとずっと思っている。


  • P.93 日本人の抱えている問題点とは?

「まじめに」と「楽しく」が反対語である事が日本人の問題の一つではないか、とずっと思っています。その二つの要素は共存可能なのに。
あとは、無意味な完璧主義。ちょっとでもダメなら、その人もモノもすべてダメ。完璧な人間はいないので、結局全員ダメ。完璧でないと、すぐにイライラするので、雰囲気が悪くなる。完璧なものはないから、すべて雰囲気が悪くなる。自分も完璧じゃないから「足りてない」と感じ、被害妄想になる。だから家から出られなくなる。
もうちょっと、外でリラックスして楽しくやったほうが、うまくいくと思います。皆、島人なんだから。

  • P.121 これからは、誰もが写真を撮って、誰もが小説を書いて、誰もが映画を作る時代になると思います。世の中全員がクリエイターになっていくのだとしたら、僕ら先端にいるプロの仕事は、あたらしい時代の雛形を作る事だと思うのです。こうやって不安定な時代には拠点を持たずに生活することを提示するのも、そうなのかもしれません。もし、ぼくに子供がいたら、どこかに学校を作っているかもしれませんし、その時々の自分の人生に逆らわないようにしています。


  • P.185 僕もそうですが、これから「趣味」は、なくなる時代になると思います。皆、好きな事をもっとするようになるから、それは趣味と言えなくなるでしょう。同じように「余暇」もなくなるでしょう。きっと「主暇」が増えると思います。


  • P.204 他社との関係で自分を作ってはならない。自分の可能性を、どんなに大変でも追求しなければいけない。なぜなら、すべての必要なことは、必ず自分の中にあるからだ。