「言語技術が日本のサッカーを変える」
■いつどんな風に読んだか
西原町立図書館で借りてきて、年末年始の香港旅行の最中に楽しみました。
■内容に関するコメント
田嶋幸三さんに関しては、プレイヤーとしても指導者としても協会関係者としても、いずれにおいても名前ぐらいしか聞いたことないぐらい無知なのですが、指導者のレベルを質的にも量的にも押し上げていくことの大事さ、その方向性についても分かりやすく記述された名著でした。2020年は少し指導者的なこともかじっていきたいところなので、とてもタイムリー。さっそく色々と実践していきたいです。(サッカーを学ばないまま大人になってしまったことの後悔もありつつ)
P.17
授業で質問を投げかけたとき、日本の子どもたちは、しーんと静まりかえる。なぜなら、学校というところは「間違ってはいけない」場所だという考え方が心の中に染みついてしまっているからです。だから子どもたちは、なかなか「自分の考えを表現する」というリスクを冒そうとしません。
P.57
子どものころから論理的に考えていれば、たとえ失敗をしても、その原因を学習できる能力が備わっているはずです。考えながらサッカーをしていれば、自ずから「じゃぁ、次はこうしよう。それがだめとしたらああしよう」と、さまざまな局面について、多彩にフィードバックすることができます。一方、何も考えず、言われたとおりにしかやってこなかった選手は、同じ失敗を何度も繰り返すことになるでしょう。
P.85
図。
P.177
「日本サッカーの父」とも言われるクラマーは、3つの印象的なことばを残しました。
「パス&ゴー」
「ミート・ザ・ボール」
「ルックアラウンド」
これは、サッカーの基本中の基本です。この3つのことばを、彼は日本人に向かって口を酸っぱくして、何度も繰り返し強調しました。
P.178
「トライアングル」と「アイコンタクト」
これも、クラマーが残したことばと同様に、実にシンプルです。「トライアングル」というのは、三角形のポジションできちんとサポートしなさい、という意味です。一方、「アイコンタクト」というのは、周りをよく見て、目でコンタクトした相手に出せ、ということ。
P.197
特に子供時代には、本当にのびのびとやれるかどうか、どれくらい失敗できるかが、実はとても重要なのです。
サッカーは失敗のスポーツ。ですから、失敗のできる体験は、とても大切なのです。試行錯誤で何度も何度も失敗するからクリエイティビティが生まれてくる。中略。失敗をするチャンスが豊富にあるという意味で、「草サッカー」はとても貴重な体験です。みんなクラブ志向になってきた。そうなると、どうしても目的型になってしまう。有名な選手になりたいとか、いいチームに入りたいといった目的に向かって練習するけれど「遊びの要素」は減っているのではないか。
しかし、サッカーが楽しい、遊びとして楽しい、といったことも、絶対的に大事なのです。
P.199
失敗とは転ぶことではなく、起き上がらないことである。(メアリー・ピッグフォード)
P.230
学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない。(ロジェ・ルメール、元フランス代表監督)