企業参謀 (講談社文庫)
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1985/10/08
- メディア: 文庫
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「もし高校野球の女子マネージャーが大前研一の「企業参謀」を読んだら」とか駄目ですかね(笑
これって、30年近く前に書かれた本なんですよね。原理原則的な部分なのでやはり色あせないというか、何より大前さんの文章の書き方が既に確立されているってのもすごいな、と。読みやすい、わかりやすい。(たまに極端)
いまどきのBuzzwordチックなビジネス書とかフレームワーク系の本とか、そういうの読む前にまずは本書を読んだほうが良いと思う。かくいう私も、なんで学生の頃に手に取らなかったんだろう。大前さんの名前が逆効果ってのは確かにあるんでしょうね(笑
タイトルのネーミングは昔ながらのセンスというか、今時の新書のタイトルなんかに比べるとよっぽど味わい深いですね。
原理原則的な話だからしょうがないのですが、スコープが大企業中心なのが今風な観点からは舌足らずですよね。これからの世の中で小さい企業がプロジェクトベースでコラボレーティブにビジネスをまわしていくようなイメージだと、個別の企業の採算の考え方も変わってくるでしょうし。
めも:
- P.27 縮小するマーケットの中で、十分な利益とボリュームを確保することは至難の業である。それを多くの会社が現実に苦杯をなめるまで足を踏み込んでしまうのは「過去の栄光」に対する人情的未練である。これを振り切る経営者の先手必勝の意気は、まことに立派というほかない。
- P.32 図7.本質的課題解決のプロセス
- P.45 図11.シェア拡大の為のプロフィット・ツリー
- P.90 戦略的代替案として良く出て来るもの、
1.新規事業へ参入(多角化)
2.新市場への転出(海外市場など)
3.上方、下方または双方へのインテグレーション(垂直統合)、石油精製から上へ行けば輸送、採掘などがあり、下方へ行けば、有機合成化学、ガソリンスタンド業などがある
4.合併、吸収。(3.)の統合の目的だけでなく、たんに製品系列を拡充したり、マネジメント力の強化を計る為に行うこともある
5.業務提携。販売網の共有化、部品の共同購入、技術提携など
6.事業分離。別会社設立による専業化による効率経営など
7.撤退、縮小、売却。事業の切り売りから退却まで、全体の為に部分を放棄する
- P.120 図16 ポートフォリオと業績の関係
- P.144 製品・市場戦略とは、このように実に分析的な仕事である。こうした分析が、日頃から出来るよう販売報告や、他社の販売状況についての分析書を完備する必要がある。
- P.205 図1 大学卒業生の就職先
- P.212 この本の中で私が述べたことを要約してみよう。企業や公共機関には、戦略的問題解決者のグループが必要である。このグループは、問題をいかにしてとらえ、いかに解決していくか、ということに対する専門家である。問題の解決ではなく、評論家の集団になり下がってしまった今日のスタッフ部門に単にとって代わられるだけでなく、組織の最高意思決定者のための真の戦略参謀である。