ドラッカーさんが教えてくれた経営のウソとホント (日経ビジネス人文庫)
ドラッカーさんが教えてくれた経営のウソとホント (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 酒井綱一郎
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/11
- メディア: 文庫
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学生のころ、ドラッカーを貪り読んだ頃がありました。
むかし読んだ本を再読して、当時とは全く違う感じ方をしてしまったとき、単純に嬉しさを覚える半面、実は当時は読めていなかった、という現実を突きつけられる。(で密かに落ち込む)
そんなこんなで、(とくに誰しもが読むような)割と名著を再読することに抵抗があるという特異体質な私ではありますが、そんなこと言わずに読んで活用すべきだと思ったドラッカー本。目から鱗おちまくり。今すぐ使えるヒントが盛りだくさん。
本著のような入門書とか解説本が増えてることもあり、以前よりコモディティ化というか、皆に読まれるようになってますよね。ドラッカー。そういう意味では、議論の前提にドラッカー視点の共通見解があると話が早くていいなぁ、と。
メモ:
- 無洗米が生まれたモチベーションは便利商品ではなく環境商品!
- 日本経済が成功したのは日本的経営が優れていたからではなく「低コストの賃金を使えたこと、すそ野の広い産業を持っていたこと。広範囲に及ぶ日本の産業が、ほぼ金利がゼロに近い資本を得て、安価な製品づくりを行った。若い人口構成の国であったからこそ、個人はせっせと預金をし、金融機関はその金を低利で産業に回すことができた」(岩井さんと同じだ)
- アメリカ経済がなぜ1990年代に復活したのかを考えるとき、政府が何か優れた政策を施したと早合点する人たちがいるが、それは間違っている。政府が何もしなかったから、アメリカの競争力は高まった。
- アメリカ経済が復活したのは、大企業が努力したためかといえば、これも違う。アメリカ経済の主体はすでに大企業から小企業に移っている。アメリカの輸出の半分以上は従業員が19人以下の小企業によるものだ」
- 産業構造が神によって定められたものと考えがち
- 顧客の声を聞け、と経営者たちは口にする。だがこの原則に従っているだけでは、真の情報は得られない。(誰が顧客か、は誰も決められない)
- 混合産業と岡目八目産業
- 開発機能だけ持って、あとは外部に任せる。ex.シスコ
- 地域、業界、市場、文化によって組織を柔軟に兼ねていかねばならない時代が来ている
- グローバルカンパニーの文脈というよりは事業ドメインGAPの観点から有用だと思った
- 人口の変化は情報技術革命がもたらしたインパクトなど比較にならないほど重要な社会変化である
- 新しい文明では生産者と消費者が一緒になるプロシューマの時代になる
- 自分で使うものは、自分で作る、という時代
- イノベーションは単なる思いつきやアイデアではない。どんなに小さなイノベーションであっても、そこには組織的な活動がある。
- 新幹線だって、既存技術の組み合わせ
- 現行のナレッジマネジメントは知の共有に過ぎず、対話が生み出す知の創造、ナレッジクリエーションを目指そう
- イノベーションは技術革新、という意味ではない。ヒト、社会、組織、時代が絡み合った社会的な言葉である。英語にするなら、something new。
- 知識の組み合わせによって起きる変革がその後、予想もつかなかった産業や制度、現象までを誕生させる
- カリスマは害をもたらす存在でしかなく、リーダーシップはカリスマに依存するものではない
- 信頼、すなわち追随する人たちがいること。それ以外の共通点は、私が出会った名指導者にはない
- リーダーシップの7つの条件
- カリスマ型の指導者は要らない
- 名経営者の共通点は「幅広く信頼される人」
- 信頼される経営者は、まめな性格
- リーダーは固定観念打破を
- なにを達成したいのかの強い目標を持つ人
- ビジョンを共有させられる人
- 個人で動くのではなく組織で動くための仕組みをつくれる人
- テクノロジストは昇進には興味がない。金銭的動機では動かない。自分たちの専門性を愛している人たいだから、従来の組織で管理するのは大変難しい。経営者はテクノロジストに経営がどう進むかを示し、彼らに期待していることが何かを示さねばならない。テクノロジストをどれだけ抱え、どれだけ伸ばせるかが、今後の経営の最大の課題になる。
ToDo: