仕事は楽しいかね?
- 作者: デイルドーテン,Dale Dauten,野津智子
- 出版社/メーカー: きこ書房
- 発売日: 2001/12
- メディア: 単行本
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言うまでもなく、その後で出版されてる本に内容を上塗りされてるタイトルの代表的な1冊なわけで今さら感バリバリですが、やっぱりオリジナルの面白さってあるんですね。
とにかく試しまくること、日々変化すること、偶然を見落としていること、等々。老人との対話を通じて、こんなに分かりやすくて実践しやすいように書かれている。しかもそれなりに売れている。にもかかわらず、この本で人生を変えることができた、という人には会ったことがない。人間なかなか変われないものなんですね。まぁ、自分もそうなんだけど。
ちょっと観点が違うけど、広く浅く生きるのか、特定の専門領域に可能な限り深く根を張っていくのか、といったテーマを思い出した。というか、むかし指導教授にコロコロと目先を変えることを良くないと指摘され、結局それに逆らってそこを飛び出して見事に失敗して、割と後悔してたり相変わらずだったりしてた自分が少し救われた気がした。やりたいようにやろう。
ライフログ的な収穫としては、「新しいアイデアというのは、新しい場所に置かれた古いアイデアなんだ」というフレーズ。漠然と過ごしてきた人生も、記録さえ取られていれば、それをランダムにフィルターするだけで結構面白い視座を得ることが出来る、と。素晴らしい。
メモ:
- P.38 「たいていの人は、マンネリ化した生活から抜け出すために目標を設定する。だけど、いいかい。今日の目標は明日のマンネリなんだよ」
- P.49 頭にたたき込んでおいて欲しい。何度となく”表”を出すコインの投げ手は、何度となく投げているのだということを。そして、チャンスの数が十分にあれば、チャンスはきみの友人になるのだと言うことを」
- P.61 事業も仕事も、世の中のほかのすべてのことと同じだ。つまり、偶然の連続だってこと。多くの人が”計画通りの結果になるものはない”という使い古された決まり文句にうなずくのに、相変わらず大勢の人が計画を立てることを崇め奉っている。計画立案者はもっと少なくて良くて、まぐれあたり専門家こそもっとたくさん必要なのにね」
- P.84 他人を凌ぐ人物になるための2つのルール。適切な時とか完璧な機会なんてものはないということ。これは、この場でただちに始めるということ。もう1つはパッと浮かぶ考えはたいてい使い古されたものだし、パッと浮かんだわけではない考えの多くもやっぱり使い古されたものだと言うこと。
- P.88 ある事柄が完璧だと決め込んでしまったら、その事柄はそれ以上よくならず、ライバルに追い抜かれるのをただ待つだけだ。完璧とは、ダメになる過程の第一段階。
- P.106 ウォルト・ディズニーが仕事の秘訣を問われて「ものごとを見事にやることだと。もう一回それを見るためならお金だって払う、と言われるくらい見事に」
- P.112 「この競争でだれが勝利を収めるか?だれも。これは全員が負けるゲームなんだ。そこで、新しいゲームをする必要がある」
- P.127 実験的に3つを同時にやったことで、客として来てくれそうな人たちにホーソーン効果がもたらされた。客は店で何か起きているぞと気づいて、確かめたくなったんだ。
- P.144 人並みでしかない跳躍力は、フォスペリーの敵だった。その一方で友達でもあった。
- P.147 困難というのは、一つひとつが実地演習を始める合図だ。試すことは、一つ一つが世の中への問いかけだ。答えというのは、一つ一つが旅だ。旅程の計画は人生に任せておけばいい。君の仕事は、光を集めることとカメラを持っていくことなんだから。
- P.157 新しいアイデアというのは、新しい場所に置かれた古いアイデアなんだ。
- P.167 この事務所では、だれかがへまをやらかしたら必ず別の誰かが「ポストイットを思い出せ」と叫ぶんだ。するとみんなが、一つの事業にまで発展したスリーエムの不完全な接着剤のことを思い出し、何か役に立つことが思いがけず見つけ出せないかとその過ちのことをじっくり検討し始める。