「成功」と「失敗」の法則
- 作者: 稲盛和夫
- 出版社/メーカー: 致知出版社
- 発売日: 2008/09/24
- メディア: 単行本
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ある日、家に帰ると机の上に置いてありました。到知出版さんが送ってくれた模様ですが、なぜ送られてきたかは定かではありません。月刊到知を購読してるので、それのおまけとか?
その昔(たしか学生のころ)、盛和塾の方と名刺交換したことがあって、それ以降なんとなく一方的に親近感を感じてる稲盛さんですが、それにしても字のでかい本ですね。別に書き下ろしたわけではなく、月刊到知の巻頭言をまとめてみました的なものなのでしょうがないんでしょうけど、ハードカバーにする必要あったんかいな。
メッセージは非常にシンプルで、彼の考える「成功」の定義とそこに到るために必要な心構えについて、同じ事を何度も繰り返して説明するという手法(まさに彼の教え通り)で有り難くお話を頂いております。要するに、これは「成功」なのか「失敗」なのか考えているうちは「成功」することはない、ってことですよね。悩ましい。
繰り返しの重要性はよく分かるのですが、ある程度の工夫を施した繰り返しでないと逆効果にもなりえるのではないかな、と。そういう意味で、ちょっと説得力に欠ける一冊になってしまった気がします。まさに「これからの日本を担う若い人たちに、ぜひ理解してほしかった」のであれば、もう少し伝え方を考えた方がよいですよね。まぁ、ファン以外は読まないでしょうから無問題なのかな。(あぁ、なんて恐れ多いことを書いているんだろう)
さらに言ってしまえば、フラット化する世の中においてこのスタンスを徹底すると、いったい日本はどうなるか。思考実験してみるだけでも面白い。
メモ:
- P.17 もちろん、あの世には地獄も極楽もある。もっとも、おまえが思っているほどの違いはない。外見上は地獄と極楽はまったく同じだ。違っているのは、そこに住んでいる人の心だけなんだよ。地獄には自分のことしか考えない利己的な人が住んでおり、極楽には思いやりに溢れた利他の心を持っている人が住んでいる。
- P.30 私は半年間にわたり、自分の「思い」がどのようなものかを問い続けました。「動機善なりや、私心なかりしか」とう言葉に込めて、第二電電起業の「思い」に「不純なものはないのか」と、自分に厳しく問うていったのです。
- どうやって不純でないと判断できるのか?まぁ、明確な基準がないから稲盛さんでも半年かかるのか。
ーP.59 幸福になれるかどうか、それは心のレベルで決まる。つまり私たちがどれだけ利己的な欲望を抑え、他の人に善かれかしと願う「利他」の心を持てるかどうか、このことこそが幸福の鍵となるということを、私は自らの人生から学び、確信しています。
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- 自分の幸せと、自分の子供の世代の幸せと合わせて考える必要があると思うのですが、フラット化する世の中で生き残るためには、もう少し言葉が必要な気がする。
- P.86 結局、豊かさというものは「足るを知る人」しか実感できないものであり、「足るを知る」という精神構造があってはじめて実感できるものなのです。日本人がまだ豊かさを実感できないとすれば、それは貧弱な精神に由来するとしか思えないのです。
- 「足を知る」ことが成長意欲を阻害することにならなければ良いのですが。
- P.122 企業を発展させていこうとするなら、まずは経営者が人間としての器、言い換えれば、自分の人間性、哲学、考え方、人格というものを、絶えず向上させていくよう、努力を重ねていくことが求められているのです。
- 企業活動においては「足るを知る」必要はない?いや、わかってるんですけどね。重箱の隅をつついてすいません。