AR(拡張現実)で何が変わるのか? (PCポケットカルチャー)
AR(拡張現実)で何が変わるのか? (PCポケットカルチャー)
- 作者: 川田十夢(AR三兄弟),佐々木博,ソーシャルメディア・セミナー
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2010/11/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ARって何だろう、色んな事例を紐解きながらその本質を明らかにしていく。そして実践の後押しまで。プロセスの省略の話とか、都市ガスやら風鈴の話やら、かわりばえしないが色あせることもないですね。先に「AR三兄弟の企画書」を読んじゃった川田十夢ファンからすると物足りないですが、まぁいいさ。
内容とは別に、伝え方において少しチャレンジングな取り組みがなされてまして、いわゆるセミナーの講演録を、それだけで出版せずに、講演をUSTしたときに寄せられていたtwitterのコメントから面白いのを足し込んで書籍化してみました、というあたりです。
本文中の表現を借りれば「一人目の読者」のフィードバックを内包した形での書籍化ですが、そのコンセプトの方向性というか筋の良さ、耳障りの良さの一方で、少なくとも本作についてはアウトプットのインパクトが追いついていない気がする。このタイトルだけで判断はできないけど、まぁもうちょっと様子見ですかね。
どう役に立つか分からないARを、基本的には楽しさの追求というモチベーションだけでここまで引っ張ってきてしまう。のせられる私たちもあれですが、追いつけないほどの走り続けるAR三兄弟は本当に凄いなぁ、と。
メモ:
- 「AR観」「AR的」「AR化」P.14
- あいまいな何かを「観、的、化」といった切り口で形にしていったり比べてみたりする手法は便利そうだ。
- たぶんこれは、2−3年の内に実現すると思います。「人の考えを可視化する」ということに対して、肖像権やプライバシー、個人情報をどうするかという面倒くさい問題はあるんですけど、「私は(自分の考えを)オープンにしてもよい」という人たち同士でつながっていったら、すごくいいですよね。P.75
- 技術は勝手に追いついてくる、と僕は思っています。むしろ想像力のほうが重要。P.83
- 御意。価格の話とかも同じだと思ってます。
- ツイッターが「個人が情報を積極的にオープンにしていくことで、社会はどうなっていくのだろ」という、ソーシャルメディア時代の予行練習だったのと同じで、セカンドライフは現実世界とCGと仮想空間が重なったARやミクストリアリティ社会への予行演習とも言えます。P.120
- 僕は去年「一生使えるクリスマスカード」を作ったんですよ。マーカーがあってそこにハッシュタグを入れると、そこにツイッターのつぶやきとか、みんなからのメッセージが届くんです。はがきを送らなくても、みんなの声が届く。P.124
- 場所に紐付いて人の気持ちとか、意見とかがそこにマウントされていたら、ちゃんと建設的な、生きたインフラになると思います。P.125