顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか
顧客が熱狂するネット靴店 ザッポス伝説―アマゾンを震撼させたサービスはいかに生まれたか
- 作者: トニー・シェイ,本荘 修二,豊田早苗
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2010/12/03
- メディア: 単行本
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ザッポス、日本で耳にすることは少ないかもしれませんが大変に面白い会社です。
5月に石塚さんの取材ベースで纏められた「ザッポスの奇跡」を読んで大変に感銘を受けたんですが、トニー・シェイさんの自伝があったんですね。
ザッポスという会社(というよりは文化)が形成されていくプロセスは勿論ですが、自伝だけにトニーさんの子供の頃のエピソードとかザッポス以前の起業とか経営の話とか盛りだくさん。
実はザッポスのビジネス自体は別の方が始めたもので、投資会社をやってるころに一つの投資先として関わり始めたとか、初耳な内容も多くて読み応えありますね。
方向性はあっているはずなのに十分な収益が得られず資金繰りに行き詰まっていくあたり、事態を打開するアイデア出しミーティングの様子からアクションのプロセスまで割とオープンに記載されているので、そこのスピード感なんかもエンパワーされる感じで実に愉快です。
それにしても、原題の"Delivering Happiness"ってのは本書の内容からして大変素晴らしいタイトルですね。すっかり虜だ。
メモ:
- 私たちがワクワクしていたのは、急成長を遂げるものを創りあげていること、そして他の人たちがその使用価値を本当に認めてくれていると感じられたことでした。P.177
- どのテーブルに着くかが私に出来る最も重要な意思決定だといことでした。中略。ビジネスでも、起業家やCEOにとって、何のビジネスに身を置くかは最も大事な意思決定です。P.300
- 結果を求める時に、その内容によってはテーブルを変更することが非常に大事だと。格好いい言い回し。ぜひ今度つかってみたい。
- ポーカーでもビジネスでも人生でも、自分がその時していることにとらわれたり、のめり込んでしまうことはよくあることで、そうなるとテーブルを替わるという選択肢があるのを忘れがちだということがわかりました。P.309
- あなた自身の世界を思い描き、それを創り、信じれば、あなたの周りに世界が出来上がるわ。P.378
- ある人の仕事の仕方を思い出した。どこからも評判よくなかったけど、彼は結局世界を創れたのだろうか。。。
- しかし、私たちはピッキングの効率性を最大限にあげようとは思っていません。最大限まで高めようとしているのは顧客体験で、P.632
- 長期的にブランドを構築するための最善の方法とは何でしょうか。一言で言えば、企業文化です。ザッポスでは、企業文化がきちんと設定できていれば、素晴らしいカスタマーサービスも、長期にわたる素晴らしいブランド構築も、情熱的な社員や顧客と言ったそのほか大部分のことも、自然に始まると考えています。P.671
- 講演でのルール。1.情熱的になる。2.個人的な話をする。3.あるがままでいる。P.924
- 幸福感の三つのタイプ:快感、情熱、崇高な目的。