「情報創造」の技術 (光文社新書)
- 作者: 三浦展
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2010/05/18
- メディア: 新書
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星の王子さまに聞くまでもなく、目に見えているものの価値は知れているはずなのですが、それを真摯に受け止めるのは意外と難しくって、たいてい即座に「はいはい、あれ系の話ね」とわかったフリをして、勝手にその後のシナリオを妄想して、思惑どおりに行かないと「なになに、この人わかってないなぁ」となる。
そんな感じの「皆の共通認識に収まる程度の思考用式」では、これからの世のなか全く差別化できませんぜ、ということをしつこいまでの実例を交え丁寧に解説頂いております。
そんなことを言われたら、何だか色んなことが気になりはじめちゃいますね。ビジネス書の売上ランキングを時代別と読者の年齢別でクロスさせて「情報模倣的」なコンセプトをもてはやした人たちがいたか、いなかったか、いたとしたらどんな人たちか、というのを洗い出してみたいなぁ。
自分なんか典型的な「こうしなさい」モデルで育てられて来た自覚充分なので、ほんとに頑張らんといかんなぁとは日々おもうのですが、まぁなかなか難しいもんですね。
メモ
- なによりも、内容を考えること、情報を想像することに社員の能力を集中させるべきです。これは部下を使う上司の問題でもありますね。P31
- パワポのオブジェクトをいじくりまわしている時間がどれだけ無駄か、というお話ですよね。自分で作るより、人に作らせる方が大変って話もあるし、仰る通りとしか言いようがありません。
- 言い換えると、どんな思いつきでも気軽に話せる自由な風土が会社には必要です。上司がそういう風土作りをするべきでしょう。P44
- いい加減な意見を瞬殺するのは簡単だけど、、、と言いながらあんまり甘やかすのはどうかとも思う。相手次第?ケースバイケース。
- 私はアンテナよりも情報を可視化する装置の方が大切だと思っています。テレビでも、電波をアンテナでキャッチしただけでは意味がありませんよね。受信した電波を音声や画像に変換する装置がなければ意味がない。P49
- RFIDの世界でも、よく同じロジックでソリューションの説明をしたりしますね。
- 重要なのは、アンテナを張り巡らすことではなくて、アンテナに引っかかった情報をもとに実際に行動をするかどうかじゃないでしょうか。P.65
- 同じソースにあたってても、掘り下げ方とアクションへのつなげ方でアウトプットのパフォーマンスが変わって来る。ちょっと引っかかった情報には軽くでもいいので必ずレスポンスを伴わせよう。
- 知識というものはただ溜め込むだけではなく、まとめる、編集する、プレゼンする、人とシェアするというプロセスを通すことで、本当に自分の身に付くのだと思います。ただ本を読むだけじゃ、便秘になっちゃう。アウトプットしないと、情報がきちんと消化吸収されて栄養にならないんだと思います。P.81
- アウトプット量が全然足りない。何か別の方法も考えないと。
- 単に不満を持つだけじゃダメです。巨大ショッピングモールを見て「嫌だなぁ」と思うだけじゃダメなんです。なぜそれが嫌なのか、そこにどんな問題があるのかちゃんと考えないと情報創造にならない。P86
- 陽転思考の反対で、嫌なところも見逃さない活動兼それに基づいた情報創造活動をしよう。
- 私なら、そういうイヤな光景を見たら、彼らはなぜそういう行動をするのか、その理由は、心理は、社会的背景は?と考えます。そして人からなぜかと聞かれたら答えられるようにしておく。P97
- 社会現象を分析するときの基本的フレーム。火薬と引き金。短期、中期、長期。P101
- 会社よりインターネット喫茶で仕事をした方がはかどるという人すらいます。個人にとって快適な空間がいかに仕事を効率化するかということを示しています。インターネット喫茶よりも働きにくいオフィスなんて、経営者としてはもっと改善するべきじゃないですか?P129
- すでに多くの人が知っていることなのか、知らないことなのか、それを検証するのにインターネットは有効ですね。P143
- 重要なのは、つねに頭を刺激する為には、たとえすぐに読まない本でも、タイトルが見えるように並べておくことです。P147
- 質問力が弱いのは、人の話を聞いても「なぜ」「どうやって」「いつから」「だれが」と5W1Hの疑問を持ちながら聞いていないからです。疑問がないのに質問できる訳がない。P158
- もしもこの言葉がなければ「東京城南部30km圏郊外には、学歴も高いし収入も高い消費者がいっぱいすんでいる」というように叙述的に言わなければなりません。それを「山の手」と言うことでコンセプトになる。コンセプトのなればビジネスが出来ます。P202