THINK BIG(シンク・ビッグ) - 僕たちにもできる起業 -

THINK BIG(シンク・ビッグ) - 僕たちにもできる起業 -

THINK BIG(シンク・ビッグ) - 僕たちにもできる起業 -

  • 作者: 加藤崇
  • 出版社/メーカー: 加藤崇事務所
  • 発売日: 2012/03/01
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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【この本を手に取った理由】
手に取らない理由がありません、あの加藤さんの著作ですからw


新卒で入った会社を辞めて、わたしが新興ベンチャー企業に転職したのは既に数年前の話ですが、その時のメンバーの1人が加藤さん。その後、別々の会社になってからもお世話になってますが、いつもパワフルで本当に魅力的です。


本書、早々に入手していながら読了が遅れたのは、すっかり感化されて明日にでも会社を辞めてしまうようなことになるのが怖かったからです(嘘)


【サマリー】


「起業家として、いつ事業を始めるのかということ、なぜ始めるのかということ、そして誰と何を作るのかということ、誰にどうやって売るのかということ、そしてどうやって会社を大きくするのか」といったあたりについて、自身の経験や起業家の言葉を引用して加藤さんらしく熱く語りかけてくる入魂の一冊。


マインドとかビジョンの話に終始せず、組織形成において必要な覚悟の話とか、資金調達の理想と現実と実際の落としどころみたいな論点が具体的に書かれているので、より多くの人が「自分にも出来るかも!」と確かに思わされてしまう。


その結果として、本書出版の根源的なモチベーションとなっている「企業を誰しもが人生の選択肢として持てる未来を創造すること」というところにも大いに共感してしまうわけで、流石と言うほかありません。


ところどころ親しみのあるエピソードも出てきて、そういう意味でも非常に楽しませて頂きました。


起業っていうと営利的な意味合いに考えてしまいがちですが、本書のスコープはもっと広く、(社会起業家的って言葉も限定的だけど)何かしらの信念に基づいて新しい活動を社会にリリースすること全般まで視野に入ってると思うので、そういう文脈では経営者になる気が無い方にも面白いはずで、まぁとにかく万人向け。若い人に限らず、是非みなさんに読んでみて頂きたい一冊です。


【メモ】

  • P.20 日本人に、起業をして、自分で自分を社長にするという選択肢があるのだということを知ってもらいたい。それは自分でビジネスを始めるということ。誤解を恐れずに言えば、自分で自分の会社の名刺を作って、社長と書けば、その日から君は社長になれるのだから。では、どうやってビジネスを始めればいいのかについては、大丈夫、僕がこの書籍で教えるから。
    • このミッションステートメント、しびれます!


  • P.27 (起業など人と違う道を歩むことを選択したことで)周りの友人の一見華やかな進路を見渡したときに、ときに自分を小さく感じることもあるだろう。ただ、だからといって周りの人と同じ道を歩む必要は無い。自分にしか見えていないチャンスがあるなら、君たちはそれを決して逃してはならない。byグレッグ・ワードルフ
    • Facebookの普及で友人達の素晴らしい活躍が見えやすくなり、嬉しさの反面、自分の選択の妥当性に疑問を感じる日も来ると思うのですが(今のとこ無いけど)、そんなときに思い出したい。


  • P.32 ベンチャー企業を経営している現実の起業家たちは、お客さんが本当にいるのかいないのかまだ分からない市場に対して、日々めまぐるしく変化する環境(毎日明らかになる新事実)にすばやく適合するということ、それ自体を成功の鍵としてるのだ。
    • そういうマーケティングプランに、なっているだろうか。


  • P.44 その後に大きな成功が待っている限り、何度か失敗しても良いじゃないか。人生を「トーナメント戦」と考えるのではなくて「リーグ戦」だと考えよう。「絶対に成功するという確信がもてるまで起業しない」なんて言わないで「ちょっとノドが渇いたからジュース一本買いに行くか」ぐらいの気持ちで起業するのだ。中略。そして、芸の肥やしになるように、いつか成功するように、たくさんの失敗と挫折を経験するのだ。
    • 当然これはビジネス上の話だけでなく、人生全体においても言えること。個別の失敗を軽視してはいけないが、過度に落ち込んだり、失敗を恐れて行動にバイアスがかかってはいけない。


  • P.61 素晴らしい会社というのは、いつも「誰をバスに乗せるかを先に決め、その後に行き先を決めている」のだそうだ。一方で、「行き先が決まっているバスに、そのバスに相応しい人たちを乗せる」というのは、一見正しそうに見えるものの、何かの事故やトラブルで行き先が急に変わったりしたときには、上手くいかないのだそうだ。
    • 企業間のコラボレーションなんかでも同じですよね。わりと日常的に実感できているところ。


  • P.64 大切なのは、世界が「他人ではなく、自分にとって」どう見えるかなんだ。起業家というのは正解がどれかを考える仕事ではなく、正解の見えない世界、白か黒か分からない曖昧な世界をどんどん突き進んでいって、自分で正解を作る仕事なのだから。今の世界で起こっていることについて1から100まで調べ尽くしたって、残念ながら明日には既に世界は変化しているのだ。


  • P.81 全員にウケるということは、結局は「普通」ということなのだ。売り込みにいって、拒絶もされないし、熱狂的なファンにもなってくれないということは相手にとって「想定の範囲内」ということで、驚かない代わりにさしたる関心も払われない、ということなのだ。だから発送を逆さまにして、できるだけ大嫌いな人が出てくるように頑張ろうと考えたって良いじゃないか。そうしたらきっと、同じくらい大好きな人が出てくるのだから。


  • P.142 今のお客さんが次のお客さんを紹介してくれるという不思議な現象を起こすためには、自分の商品やサービスが世に広まることによって、いかに世の中が良い方向に変化するのかという「夢を売る」必要がある。その製品やサービスで、その人個人の人生が幸せになるだけならば、そのお客さんは他の人にその製品やサービスを積極的に伝えたりはしないだろう。中略。ところが、人間面白いもので、この製品やサービスがたくさんの人たちに伝わることで、世の中が良い方向に変わっていく可能性があるとき、また自分がそれを伝達するということは、もしかしたら自分が世の中を変える触媒になっているってことなんじゃないか、と心のどこかで思ったとき、それを友人・知人・また色々な人たちに伝えようという気持ちが起こるものなのだ
    • 機能説明に終始する私のセールストークが如何に無用であるかw


  • P.186 起業家にとってビジネスプランを書く時間があるなら、もしくはビジネス書籍を端から読んでビジネスを系統だって捉えるような時間があるなら、試作品を作ったり、自社の製品やサービスをお客さん候補に売り込むことに時間を使ったほうがよほど実践的だ。
    • なるほど。同様にルーチンワークに稼働を割かれることも避けねばならないですよね。