媚びない人生

媚びない人生

媚びない人生


【この本を手に取った理由】


TwitterとかFacebookに流れる評判をみて購入。


それほどキム先生を気にしていたわけでもないのですけど、あの人達が「これいい」と言っているだけで、じゃぁ読んでみようかな、となってしまう。ソーシャルコマースどっぷりというか、踊らされるほうの人です。




【サマリー】


ゼミ生への最終講義をまとめた一冊。


要するに「この先たいへんだと思うけど(こんな風に)頑張ってね」っていう話なわけですが、それ系の話って、とくに学生向けとかだと伝えるのが難しいし、そもそも聞く耳を持ってないような輩も日本的には多い気がする(自戒)。


が、順風満帆な成功談ではなく、どちらかというと内面的な、とことんまで自分と向き合ってきたからこそ発せられる熱い言葉にこそ、やはり魂ゆさぶられてしまうわけですね。


最終講義だけカッコイイこと言ってもアレだし、やはり普段からこんな感じなんでしょうね。学歴詐称とか言われても気にならないですもんね。


これから社会に出て行く若者だけではなく、多少すれてしまった社会人とかにもビンビン響きます。


雁字搦めの社畜系だと「そうはいっても現実は。。。」となるでしょうから、自分は恵まれてるなぁ、と思った次第です。


ていうか、こういう「人生のスタンス」みたいな部分の指導をしてくれる人って最近すくなくないですかね。そういう場所にいないだけか。




【メモ】

  • P.39 必要なことは、何より自身の成長を意識することだ。未熟から成長に向かうプロセスこそ、生きる意味だと気付くことである。これを懸命に続けられた人生こそ、素晴らしい人生だと私は思っている。本当の幸せは、この過程にこそひそんでいる。


  • P.75 孤独は決して、克服すべき対象などではない。むしろ孤独こそ自分の中で一番自然な状態で、自分の人生をしっかり感じられるもの。孤独に自分に向き合うことは、一番大事にすべき時間なのである。中略。孤独な時間、自分と向き合う時間こそ、絶対に確保するべき時間なのだ。
    • 人と交わるのは目的ではなく、孤独な時間を充実させるため、って感じですかね。いつも飲み仲間を探すのではなく、たまにはしっとり1人飲みしましょう、と。


  • P.112 自己主張をあまりにしすぎると、人間に軽さが生まれてしまう。中略。自分を大きく見せようという発言や主張も多い。誰それを知っている、こんなことを知っている・・・ そういう発言をすればするほど、むしろ自分を小さく見せていることに気付かなければいけない。問われているのは、実は本質だけなのである。


  • P.124 まずは、他者の目を排除することが重要だ。その上で、自分の未熟さと向き合う。中略。8割、社会や他者、家族などの外に向いている視点やアテンションを、自分に向けるのだ。そもそも他者の評価はそれほど優れたものなのだろうか。
    • これまた至言。


  • P.137 居心地の良い群れの中を自覚したなら、そこから距離を置く意識を持つことだ。


  • P.143 実際には、社会に出たら、人生における山を如何にうまく自分で見つけられるか、とうところから勝負は始まると私は考えている。みんなと同じ高い山を登ることには、創造性が求められる今の時代、もはや大した意味は無い。なぜならそれは、所詮すでにある山だからだ。むしろ、誰も登ったことのない山を見つけ、昇ることこそが今は求められているし、挑戦しがいのある山なのだ。


  • P.151 ガラパゴス化の問題は、日本独自ということにあるのではなく、その価値を世界市場に認めさせることが出来なかったということである。独自性というのは必要条件で、それを拡げるための説得力のあるストーリーテリングをデザインできるかどうか、がこれからの創造性が重視される社会では必要な能力なのである。


  • P.168 最も確実なのは、最も常識的な努力の道を歩むことだ。誰よりもその努力を黙々と実行した人間だけが、努力に支えられた結果を期待できる。もし、そうでないのに結果を期待してしまう自分がいたなら、それは自分をしかったほうがいい。仮にそれで結果がでしまっては、自分の人生にとってはむしろマイナスだと自覚したほうがいいと私は考える。それは、短期的には幸運と呼べるかもしれないが、長期的には不運のもとのなるのだ。そうした意識をもつことによってこそ、日々、落ち着いた形で、冷静に、自分の目指すモノに対してブレずに立ち向かうことができるのである。


  • P.244 時間に対する緊張感とは、命に対する緊張感なのである。中略。重要なのは、瞬間に対する緊張感を持ち、瞬間を刻むことなのだ。時間の長さではなく、魂の温度を持って時間の濃度を限りなく高めていく。この瞬間に全て賭けるということこそ、生きる人の権利であり、義務なのである。このことが分かった瞬間、くだらないこと、つまらないことには目が向かなくなる。