ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (ソフトバンク文庫)

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (ソフトバンク文庫)

ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。 (ソフトバンク文庫)

  • 作者: エレイン・N・アーロン,Elain N.Aron,冨田香里
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2008/03/18
  • メディア: 文庫
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自分は繊細なほうだと思う。


「読み落としが怖くてRFIDなんかやってられるか」とか口では強がっていますが、期待通りの読み取り精度が実現できない可能性については常にビクビクしてます。実は、あらゆるネガティブトークに対しても非常にセンシティブ。すべて自分で抱え込むことで余計に事態を悪化させてしまったりとか未だにありますからね。


仕事に限らず、割と人の目が気になるし、失敗することを過度に恐れていると思うし、そのせいで余計なコストを負担させられてるなぁ、と自棄酒を煽ること頻りな私なもので、タイトルだけ見て「これは自分のために書かれた本だ!」と思って取り寄せてみました。が、残念ながら自分は違ったみたいです。良かったのか悪かったのか。。。


読み始めて数分で、本書でターゲットとなっているHSP(Highly Sensitive Person)な方々の悩みのレベルは全然ちがうんだなぁ、と理解できたんですが、何かヒントがあるのではと一応読了。


自分に適用可能な何かは見つかりませんでしたが、ちょっと違うなぁ、という人をHSP的に理解してみることでコミュニケーションのスムーズになるとかはあるかも。


テーマがスペシフィックなので文庫本の割に非常に細かい内容。見方を変えると専門的すぎて興味の持ちにくい内容。HSPの方が読んだら救われる内容なんだろうなぁ、というのはよく分かる。心当たりのある方は是非よんでみてください。


メモ:

  • P.57 これはあくまで私の想像に過ぎないが、すべての高等動物に一定の比率でHSPが含まれているのは、種の中に、つねに微妙なサインを察知するものがいると便利だからではないだろうか。隠された危険や新しい食物、子供や病人の様子、他の動物の週間などに対して常に敏感なものが15から20%ほどいるというのは、ちょうどいい比率なのかもしれない。


  • P.90 敏感さを作る脳内の二つのシステム。行動活性システム(behavioral activation)、脳内の知覚からメッセージを受け取り、四肢に動くように命令する部分とつながっている。もうひとつは行動抑制システム(behavioral inhibition)、このシステムが働いているとき、人は慎重になり、さまざまなサインに注意して危険を回避するようになる。


  • P.120 ホールディングが充分でなかったり、自分の存在が無視されたりあるいは虐待されたりすると、乳幼児にとってあらゆる刺激が耐え難いものとなる。そうなった時、乳幼児が唯一できることは、意識を眠らせ、そこにいることをやめてしまうことだ。防衛手段として「現実から乖離すること」が習慣になっていく。


  • P.130 ある男が人生のあらゆるストレスから逃れようと、洞窟に隠遁し、昼夜を問わず瞑想して過ごした。しかし、すぐに彼はその洞穴から飛び出してしまった。洞穴の中でしたたる水の音に耐えられなくなってしまったというのだ。


  • P.202 まわりの人は、本当はあなたが「ひとりでいることを選択している」ということが理解できない。あなたがまわりの人を拒絶しているのであって、まわりの人から拒絶されているのではない。中略。残念ながら「人も知り」という言葉にはネガティブなニュアンスが含まれている。


  • P.244 天職(vocation, calling)という言葉は、もともと「宗教的生活に入るように天から召される(called)」ということを意味していた。西洋社会ではそれ以外の仕事は、他の社会と同じように世襲制度をとっており、親がやっていた仕事を子供がそのまま受け継いでいた。中世においては、貴族、農奴、職人などの身分や職業がそうやって親から子へと引き継がれていったのである。


  • P.276 マキャベリはあなたの中にもいる。そう、彼は非常な策士だ。しかし、どんな皇子も(心根の優しい皇子ならばなおさら)冷酷な敵と同じ視点を持つ彼のような相談役がいなければ、その座を守ることができない。マキャベリの言葉に耳を傾けつつ、その地位は相談役のままに留めておくことが肝要だ。自分にはそういう面がある、と気づいている人は、その側面に肉体を与えてみて欲しい。中略。その人とおしゃべりしてみよう。中略。しばらく後で何を学んだかを考えてみよう。


  • P.381 シャドウを知るということは、自分の嫌なところや不道徳な側面について熟知し、それに注意することである。自分はこの部分を「永遠に」窓から投げ出したつもりになっていても、気づかないうちにまた元に戻ってしまう。