スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫

スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫

スマイルズの世界的名著 自助論 知的生きかた文庫

竹中先生が講義の中で勧めていたので読んでみました。


途中までエンジンかからず適当に流し読みしちゃいましたが、もう最終的にはすっかり虜になってしまいました。こんな素晴らしい本が533円(税抜)ですもんね。情報の値段ってのは不思議です。


原著が1858年ってのがまたすごいですね。全く古さを感じさせないのは、残念ながら本書の素晴らしさを持ってしても、やっぱり人類が自ら助くるの領域には達し得ていないというわけで、そういうところを変えていくライフログじゃないかな、と。そういう観点でもヒント盛りだくさんでした。


ストイックさは、そのピークの高さを競うのではなく、一定水準以上のレベルで継続的に実施されること、すなわち習慣化こそが大事なんですよね。自分のこれまでの人生を振り返ると、どうも振り幅の大きさばかり目につく感じ。行ったり来たりするところを習慣化してどうすんだ、って話です。これから頑張ろう&息子さん向けの教訓としよう。


ものすごい数の事例と言うかエピソードが引き合いに出されるわけですが、最近の自己啓発本みたいなものと当然内容は重なる部分があって、そういう意味での新鮮みはないんですが、やっぱり本質をシンプルに表現しているからこそ150年近くも読み継がれるんでしょうね。


マントラ?呪文のように唱えたい至言がたくさん。定期的に読み返さないといけませんね。




以下、メモ。

  • 結局のところ、人間の性質は目に見えない無数のものによって形作られていく。先達や古今の格言、人生における実体験や書物、友人や隣人、現在の社会や祖先の英知、これらすべてをわれわれは受け継ぎ、疑いもなくそこから大きな影響を受けている。中略。どんなに立派で賢い人間でも、確かに他人から大きな恩恵を受けている。だが、本来の姿から言えば、われわれは自らが自らに対して最良の援助者にならなければいけないのである。P.30


    • 昨日の自分に助けてもらう、という考え方は昔からあるんだけど、技術的に実装できるようになるのはこれからの話だ。非常に示唆的。




  • 諸君が天性の才能に恵まれているなら、勤勉がそれを更に高めるだろう。もし恵まれていないとしても、勤勉がそれにとって代わるだろう。だからこそ。私は精一杯努力しようと決めたのだ。天分に恵まれていないことくらい、自分で百も承知していたのだから。P96


    • さすがに良い歳なので、天分に恵まれていないことは痛いほど分かってるのですが。。。




  • 肉欲や快楽の追求に向けられた意思はたちまち悪魔の本性を現し、知性はその卑しい奴隷となるだろう。だが逆に、善の追求に向けられた意思は名君と同じである。そこでは、知性が人間に最高の繁栄をもたらす家臣となるに違いない。P109




  • 長生きするにつれ、ますます確信を持って言えることがある。強者と弱者の違い、偉人と取るに足りない人間との違いは、その人間が旺盛な活力と不屈の決意を持っているかどうかにかかっている。ひとたび目標が定まったら、あとは勝利か死のいずれかしかない。そう断じきる決意が大切なのだ。P127




  • 失われた富は勤勉によって元通りに出来るかもしれない。失われた知識は勉学によって補充でき、失われた健康は節制や薬で取り戻せるかもしれない。だが、失われた時間だけは永遠に戻ってはこないのだ。P149


    • 1日という単位の中でも何時に何をしたかを覚えていることは難しくて、そもそも自分が今なにをしているかすら意識できていないことがほとんだ。だからこそ、自動認識技術でもって生活の記録をとって適切なフィードバックが面白いと思う。




  • 彼は自分の望むところを知り、一つの目標を信じて疑わない。富や名誉や世俗の地位を求めて、膝を屈し身をかがめようとはしない。これらの徳はおのずと彼にもたらされる。まるで恵みの雨が頭上に降り注ぐように。P164




  • そのために若者は、自分自身を良く学ぶことが大切だ。自分の足取りを確かめ、自分で決めた規則と実際の考えや行動が合致しているかどうかを見定めるべきだ。人生で一番価値ある努力は、現在のちっぽけな満足に安住せず、将来もっとすばらしい満足を得ようと励むことである。それこそが人間にとっていちばん貴い自己修養にほかならない。P184


    • 生活を記録する時に、ベンチマークがあると分析がしやすい、という話。




  • 富だけを目当てにカネを溜め込むのは、心の狭いしみったれた連中のやることだ。賢明な人間は、こんな悪習に深入りしないよう十分注意すべきだろう。さもないと、節約という若き日の美徳は、年を取るにつれて貪欲という悪徳に変わってしまう。P190


    • まぁ、それでも節約できてるというんは評価されることなんでしょうね。




  • 自信のなさも、人間の進歩発展にとっては大きな障害となる。よくいわれるように、人生の失敗の半分は自分の馬が跳躍しようという時になって弱気を出し、手綱を引き締めてしまうところから起こる。P207




  • つまり、いくら万感の書物を読もうとも、それは酒をちびちび飲むような知的たしなみにすぎない。そのときは快適な酔い心地を味わえるものの、少しも心の滋養にはならないし、人格を高める役にも立たない。読書を自己啓発の手段と思い込んでいるヒトは多い。だが実際には、本を読んで時間つぶしをしているだけの話だ。この暇つぶしに何か有益な点があるとすれば、せいぜい悪事を働くゆとりをその人から奪うことくらいなものだ。P212


    • 真意は読書だけじゃなく実体験の中から学べって話なんですが、読みっぱなしの本が多い自分にとっては本当にただの暇つぶしにしかなってない。。。




  • 遊んでばかりいてちっとも学ばなければ、人間はますますダメになる。快楽にひたりきることほど若者に有害なものはない。若者らしいすぐれた資質は損なわれ、ふつうの楽しみが味気なく感じられ、高い精神的な楽しみを追求する気持ちが失われる。P220


    • ふつうの楽しみが味気なく感じられ、ってのは何故だか共感できてしまうw




  • 「社会の中でわれわれが属している最小単位、すなわち家族を愛することが社会全体を愛するための第一歩である。」思いやりの心は、小さな家族愛から出発して次第に広がり、やがては世界全体を包み込んでいく。P238


    • 親だけじゃなく、子供がそんな風に考えてくれたらどれだけ素晴らしいことか。




  • 「彼の高貴な人柄と接していると、いくぶんか自分も気高くなったように思えるのです。彼と別れたあとはいつも、住み慣れた世界からもっと高い目標のある世界へと自分の頃が引き上げられたように感じました」P250


    • そんな人になりたい。できれば将来の自分がそうあって欲しい。というか、将来の自分を今のコーチに付けるってのが最強ですよね。ライフログはそこを目指さないといけない。




  • 常に良心が命じる義務を果たし、結果は天に任せよ。これが幼少の頃、両親から受けた教えだ。私は今もこの忠告を実践しているし、けっしてそれを忘れずに一生を終えるだろう。この教えを守って生きてきた私には、それだけ犠牲も多かった。だが、少しも悔やんではいない。むしろそのような人生こそ、結局は反映と幸福への道だったのだ。私は自分の子供にも、是非同じ道を歩むよう教え示すつもりでいる。P266


    • 幼少の頃に両親から受けた教えは何だったのだろう。




  • 人間においては習慣がすべてだ。美徳でさえも習慣に過ぎない。中略。われわれは、幸福でさえ習慣として身につけられる。P272


    • 習慣化支援ツール系はライフログコンサルティングが最も得意とするところになると思う。