ザッポスの奇跡 The Zappos Miracles―アマゾンが屈したザッポスの新流通戦略とは
ザッポスの奇跡 The Zappos Miracles―アマゾンが屈したザッポスの新流通戦略とは
- 作者: 石塚しのぶ
- 出版社/メーカー: 東京図書出版会
- 発売日: 2009/11/10
- メディア: 単行本
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売り物は靴ではなく、感動なんですって。そんな夢のような会社が持続可能な形で存在していることが、なんか嬉しくなりました。(あんまり関係ないけどね)
企業文化の創り方とか人の創り方あたりが大変示唆的。すぐに試せるノウハウも盛りだくさんで、これは大変お買い得な本であるなぁ、と思った次第でございます。
いろんな停滞感の根源にはカルチャーフィットの問題というか、カルチャーの不在がある気がする。まずはそこをクリアしないと。
自分は、顧客(企業活動におけるそれに限らず)に対して感動を提供できていない問題については、図解本のToDoのほうに落とし込んで考えてみることにしよう。
めも:
- 「会社にいる間は、自分を殺して、黙って働け」というような管理スタイルは、もはや通用しない。会社としては、利益を超えた目標、どう社会に貢献するのかといった目標を明確に持つことが大事になっているのだ。そして、その目標に賛同してくれる人たちを見つけて、充足感を感じながら働いてもらう。働く人にしてみても、心から共感できる会社で働くほうが十倍、いや、それこを百倍もの底力が出てくる。P.18。
- すごく耳触りのいい話だけど、なかなかないよね、そんな会社。そんな会社を作りたいとはいつも思ってるんだけど。
- 「ザッポスに出会えたことは、私のこれまでの人生の中で一番ラッキーな出来事。毎朝、目が覚めると会社に行くのが楽しみで仕方がないわ。週末には、月曜日が待ち遠しくてたまらないときだってあるの」P.22。
- 言ってみたい、聞いてみたい、言わせてみたい。
- こういった職場環境における自己表現の自由さは、ザッポスの顧客対応における創造性に大きく貢献している。P.48。
- デスク周りを片付けるだけならだれでもできるが、思いを持って自分なりの作業環境を創造する力は、そりゃあったほうがよいか。
- ザッポスの「10のコアバリュー」P.55
1.サービスを通じて、WOW(驚嘆)を届けよ。顧客を、同僚を、取引先を、パートナーを、そして投資家を驚嘆させる会社でありたい。
2.変化を受け入れ、その原動力となれ。競合の先を行くためには、常に変化している会社でなくてはならない。
3.楽しさと、ちょっと変わったこと、をクリエイトせよ。個性を大事に、楽しく、革新的な会社でありたい。「はみ出す」ことを恐れるな。
4.間違いを恐れず、創造的で、オープンマインドであれ。未開拓の可能性、解決策を模索する会社でありたい。
5.成長を学びを追及せよ。社員一人ひとりが、常に向上する姿勢が、会社の成長につながる。
6.コミュニケーションを通して、オープンで正直な人間関係を構築せよ。お互いに心から信頼できる人間関係を築くためには、コミュニケーションが鍵。
7.チーム・家族精神を育てよ。「同僚」を超えるつながりを築く。そうすれば、どんな問題も課題も、力を合わせて乗り越えることができる。
8.限りあるところからより大きな成果を生み出せ。現状に甘んじることなく、常に「より良い結果」を目指す会社でありたい。
9.情熱を強い意志を持て。常に「できる」という姿勢で万事に取り組む会社でありたい。
10.謙虚であれ。全ての人を尊重する会社でありたい。自分がして欲しいと思う通りに、他者にも接すること。
- 1998年11月、トニーは「リンクエクスチェンジ」をマイクロソフトに売却することになる。買収金額はなんと2.65億ドル。P.58
- 人材募集のステージにおける仕組み、プロセスやツールは、求職者にザッポスのカルチャーを強烈に印象付けておいて、求職者自身の「自己選別」を促す役割を見事に果たしているといえる。P.73
- コア・バリューに照らした評価が50%、業務上の評価が50%を占める。いかに優秀な人材でも、カルチャーに対する貢献がなければ勧告を受ける。P.95
- けれでも今は、大抵のものはお金さえ出せばいつでも、どこでも買える。サービスだって平準化してきた。どこの店だって返品を受け付けてくれるし、「送料無料」だってそれほど珍しくなくなってきている。これらの「基本的要求」が満たされた今、消費者の「飢え」はいったいどこに向かっているのだろう。P.97
- 一件一件の電話対応におけるCLT社員の目的は、「顧客とのパーソナル、かつエモーショナルなつながりを築く」ことにある。単に、顧客の問い合わせを処理することが本来の目的ではないのだ。だから、社員一人ひとりがザッポスの一員として、個性、感性を発揮し、顧客との触れ合いを通じて「感動」を生み出そうとする。P.119
- 仮に地図が読めたり運転ができたりなど、目的地に到達するためのスキルがあっても、「なぜ、我々は一緒に旅をするのか」というそもそもの存在意義に賛同しなかったり、「常にチームで助け合って旅行をする」という風土に溶け込めない人物であったとしたら、結果的には組織の目的到達を阻むことになる。
- 文化にこだわる組織が避けなくてはならないのは「技能・経験」の華々しさにひかれて、「カルチャー・フィット」がまるで欠けていることに目をつぶることだ。「カルチャー・フィット」は、訓練してどうなるというものではない。こういった人は、組織内で長続きしないだけではなく、周りのムードを汚染し、チームに不和をもたらす危険性を秘めている。
- 自社の文化を最も強烈に表現する方法とは、いったい何だろうか。
細かいエピソードは下記とかのほうが。
http://blogs.itmedia.co.jp/saito/2009/12/post-caf8.html