ぼくらの頭脳の鍛え方 (文春新書)
- 作者: 立花隆・佐藤優
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/10/17
- メディア: 新書
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「教養」という言葉に弱い。というか、想像以上に教養がない上に、たぶん直近でそれが充実してくる見込みもない。残念だ。勿体ない。あればもっと楽しめただろうに。
かたや、対義語として正しいものではないが、「実学」に関しては割と努力はしてきたつもり。残念ながら今日時点において目覚ましい成果はあがっていませんけどね。
それにしても、手にした本から必要な情報を効果的に抽出していく、というアプローチは正しいはずだが、それって、何が必要かを判断する基準がしっかりしていることが前提ですよね。
本書において紹介されている400冊についても、自分にとっては決して手つかずという訳ではなくって、主に学生の頃だけど手にしたことはある本も結構あったりする。んだけど、彼らのようには読み解けていなかった。なんか、人生において色んなものを読み落としてきているなぁ、と思うことが多い今日この頃です。
ぶっちゃけ、立花さんと佐藤さんの対談を読んでても、その面白さを理解するだけのバックグラウンドが無くって、けっこう愕然としてしまいます。いやほんと、半分ぐらいは読んでも意味わかんないもん。
そしてそして、未だに興味が持てそうにないところが恐ろしい。興味があるとすれば、物知り気に教養っぽい本を読んでるふりをして、人から偉いとか思われたいくらい。どうすんだ、自分。救いようないな。
新自由主義じゃないけど実学偏重で来ちゃったことを後悔したって言い訳にもならんし、残り少ないリソースをうまく分配して少しずつ解きほぐしていこう。
ある意味では、今まであまり知らなかった世界が広がっているわけで、残りの人生は益々楽しくなっちゃうよね。
それにパンのための学問に習熟しているだけでは、代替可能性が高い存在と言わざるを得ないはずだ。
ToDo:
- 紹介されている400冊を「今月読む本/今年中に読む本/今年度中に読む本/来年度に読む本」くらいにカテゴライズして読み始める。もう片っ端から読みまくってみる。
- 今でも本屋パトロールしてるけど、もうちょっとプランドなオペレーション(重点ポイントの設定と気になったことメモ)にしてみようか。難しいかな。
前回ToDoの履行状況チェック:
- やろうと思ったけど週末にまとめてやることにしよう。
以下、メモ:
- 立花さんの蔵書量は、7,8万冊ぐらい。佐藤さん家で1万5千冊ぐらい。毎月20万円弱は本を買う。
- 現在のような不況期において人は、とにかく実用的な内容の本でなければ手に取らない。すぐ役に立つか、中・長期的に役に立つかが本を選ぶ指針になっているんです。そもそも役に立たない者には誰も投資をしない。(中略)新自由主義に乗っかりつつ、内側から壊していく。それが大事だと思うんですよね。
- 私がこの出版不況の中で、今、一番危惧を抱いているのは血液型占い本の流行です。血液型占いが爆発的ミリオンセラーを記録するなんてあってはならない話なんです。血液型と性格を結び付ける議論が嘘であるということは、ほぼ論証されています。ていうかヨーロッパでは、、、
- 細木和子の占いは100%あたるトートロジー。それを糾弾しないどころか、流行らせてしまう日本人って。。。
- 教養=人間活動全般を含むこの世界の全体像についての幅の広い知識。その人の精神的自己形成に役立つすべてのもの。現代社会を支えている諸理念の総体。
- ドイツ語で実学のことを「パンのための学問」
- 「あなたたちは成績もいいし、頭もいい。しかし二つ問題がある。受験勉強が嫌いだ。それから受験勉強に意味がないと思っている。人間は嫌いで意味のないと思っていることは記憶しない。しかしウェストファリア条約を、これを近代とみるか、中世と近代の分かれ目とみるか、それとも宗教改革やルネサンスに中世と近代の分かれ目があると見るか、こういう節目の年は重要なんだよ、あとは自分で考えろ。」
- 読者にお勧めなのは、巨大書店の書棚を全て隅から隅まで見て回ることです。すべて見るのが大変なら、文庫と新書コーナーだけでもいい。現代社会の知の全体像が大ざっぱでもつかめると思います。アマゾンもいいけれど、書店の棚にはやはり全体像がある。僕は今でも週に何度か気に入った書店に行きますよ。思わぬ本との出会いがあるから。