貸し込み 上
- 作者: 黒木亮
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2007/09/26
- メディア: 単行本
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黒木亮さんとの出会いは成田空港。もちろん本人に出会ったわけではなく、海外へ飛び立つ直前に本屋で偶然手に取ったのが「バジルブラケット」だった。
厚めのハードカバー上下巻2冊は荷物量的にだいぶ迷ったけど買って正解。その時はベトナムを縦断する旅だったんだけど、この本のおかげで退屈しなかったのを覚えてます。そんな黒木さんが、実際に自身が巻き込まれた事件を題材にしているのが本作。
巨額の過剰融資で訴えられた銀行が元行員に責任を負わせようとする、なんて恐ろしいシナリオは読んでて気持ちの良いものではないし、ストーリーの展開に妙味があるわけでもない。銀行の不条理さに驚きながら、右近さん(主人公)の有能さを堪能するぐらいしか楽しみはないんですかね。
正直、他の作品に比べると読みどころは少ないような気がします。フィクション仕立てにはしてみても、自身を主人公とした書きものは色々と難しいんでしょうね。
今更ながら銀行はドロドロな世界ですね、みんな何を楽しみに働いているのかが気になる。
期待度は低いが、下巻も読まないわけにはいかないか。
ToDo:
- 下巻を買いに行く。
- 銀行で働いてる人と知り合い、話を聞いてみる。
メモ:
- 柿下(主人公のかつての上司)の人の心を掴む秘訣は、一言で言うと「相手の望むことを聞き出し、その実現に向かって死力を尽くす」ことだった。柿下は、本業である企業買収や土地開発の案件を手掛ける傍ら、取引先の社長の息子の就職や、財務部長の娘の見合い、子供の入学試験、音楽同好会のコンサート会場探し、医者や弁護士の紹介といったありとあらゆる頼まれごとに奔走しており、銀行にいることはほとんどなかった。
- 柿下から学んだ一番大きなことは、「心を掴む」ということだ。ビジネスでは、相手が何を自分に望んでいるかを常に最優先で考え、できる限りそれを実現しようと心がけている。相手と話すときや、メールを送るときは、相手が自分からまずどういう言葉を聞きたいと思っているかを考え、最初にそれを述べるようにしている。